コクヨS&T、2012年中に上海市にノート工場を建設

コクヨS&T

8月3日、コクヨS&T株式会社は、中国内でステーショナリー事業を強化するため2012年夏頃の稼動予定で上海市奉賢区にノート工場を建設すると発表した。

同社は現在、国内・海外市場とも個客への提供価値にこだわり、その価値を最大化していく開発・生産・販売・物流のバリューチェーンを体現する「事業機軸」の経営を掲げており、アジア各国においても、その市場ごとに、成長する内需を獲得するバリューチェーンを構築することを基本戦略においてる。

また、将来的には、同社が各国で構築するバリューチェーン上の商品が、当社含め各国の流通網に相互乗入する、「アジア企業」へと成長することを目標とし、10年後には売上高の海外比率を現在の数%から30%以上まで引き上げる計画だという。

すでに、ベトナムでは独自に生産・販売一貫体制を構築し本年度よりノートの本格販売の展開を開始している。また、本年5月にはインドの画材・筆記具のトップメーカーであるカムリン社の株式取得の手続きを開始し、インド市場への本格的な進出を進めている。

中国では2003年のファニチャー事業での進出以降、一貫して個客の提供価値にこだわり続けており、ステーショナリー事業領域では、個客のニーズを把握し、より良いバリューチェーンを構築するために、まず2005年より個客に近い通販事業「Easy Buy」から展開した。

「Easy Buy」で得た個客の声やニーズに基づき、2009年からは卸事業でのテストマーケティングを行なってきた。活動の一環として、「コクヨ」や「キャンパス」の認知度を高めるために、昨年より上海で開催されている文具見本市への出展、上海の復旦大学との共同開発ノートの発表、今夏には学生をターゲットとしたイベントでのミスキャンパスノート選出、などのさまざまなブランディング活動を行なった。

中国では現在、流通三段階が明確で、その中でも広い国土を背景としてエリア単位の卸の位置づけが高くなっている。同社では、すでに40社を超える大手有力卸と取引を開始し、2010年には日本からの生産輸出により約200万冊のノートの販売実績を上げた。今後はますます販売量の増加が見込まれると判断し、中国に生産拠点を作ることで本格的に中国市場に参入すると決定した。

新工場は、現在上海・北京においてオフィス通販事業「Easy Buy」を展開している国誉商業(上海)有限公司の上海工場(仮)として運営する予定であり、中国において製造事業を行うために必要なライセンスは、既に上海市当局より申請・認可されている。

今後は、今回の新工場設立による生産機能面からの中国内のバリューチェーン強化に加えて、中国向けの商品の開発や、アジアで構築したバリューチェーン上の商品の販売を強化し、ますます成長が見込まれる中国マーケットにおいて、スピードを上げてステーショナリー事業を展開するとしている。

■コクヨS&T
http://www.kokuyo-st.co.jp/
■ニュースリリース
http://www.kokuyo.co.jp/press/2011/08/1174.html
 

(2011年8月3日)